賃金は、重要な労働条件の一つであり、就業規則、給与規程、労働協約、労働契約等により定められています。労働契約にも契約自由の原則が適用されるので、労働基準法等に反しない限り、労使の合意により労働条件を変更することは可能です。
しかし、合意が成立しないときには、変更(賃金引き下げ)について「合理性」「必要性」がある場合を除き、会社側から賃金を一方的に引き下げることはできません。よって、使用者の就業規則の変更による一方的な賃下げで賃金・退職金など重要な権利・労働条件についての就業規則の変更については、判例によれば、「高度の必要性」に基づく「合理性」が必要であるとされています。
また、就業規則変更の「合理性」について、変更の内容と必要性の比較衡量を基本としながら、不利益の程度(代償の有無等)、社会的妥当性、労働組合との交渉経過等を総合的に検討し、判断しているようです。 |