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2011年 冬季号
◇職場のメンタルヘルス対策/義務化へ法改正の動き/労働安全衛生法の改正案を労働政策審議会に諮問・了承し原案通り答申/今国会への提出は断念
<改正する法律案の概要/平成23年10月24日>
―メンタルヘルス対策の充実・強化/労働安衛法第66条の10/追加 ―
- 医師又は保険師による労働者の精神的健康の状況を把握するための検査を行うことを事業者に義務づける。医師・保険師が行うメンタルチェック項目/一般定期健康診断の「自覚症状、他覚症状の有無の検査」に併せ実施(別途実施も可能)/○ひどく疲れた○不安○ゆううつ・・・・・・・・・・等項目。
- 労働者は、事業者が行う当該検査を受けなければならないこととする。
- 検査の結果は、検査を行った医師又は保険師から、労働者に対して通知されるようにする。医師又は保険師は、労働者の同意を得ないで検査結果を事業主に提供してはならないこととする。
- 検査の結果を通知された労働者が面接指導の申出をしたときは、医師による面接指導を実施することを事業者に義務付ける。
- 面接指導の申出をしたことを理由として不利益な取扱いをしてはならない。
- 事業者は、面接指導の結果、医師の意見を聴き、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮その他の適正な就業上の措置を講じなければならない。
◇65歳まで再雇用義務/「無年金・無収入」回避/厚労省方針/来年の通常国会で法改正を目指し、12月14日「労働政策審議会」に同省案を提案。
<内容>
- 厚生年金の支給開始年齢の引き上げに伴って、加入者が無収入となる期間をなくすため、企業に対して、希望者全員を65歳まで再雇用するよう義務付ける方針を固めた。
- 厚生年金は、定額部分については2001年から支給開始年齢が引き上げられている。比例報酬部分については、2013年4月から60歳から61歳となり、その後、段階的に65歳まで引き上げられる。
- 高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保措置を企業に義務付けている。しかし、多くの企業は労使が合意した場合は、再雇用する際の基準を設けられる「継続雇用制度」を採用。基準に満たない労働者は再雇用がされない現状にある。厚労省は労政審職業安定分科会で、基準を設けることができる規定を廃止することが適当とする対策案を提示した。
- しかし、65歳までとする再雇用問題を巡っては多くの企業が定年を60歳としていることから、経営側は強く反発している。
◇不払い残業代123億円是正・支払/2010年度指導状況(10月19日)発表・厚労省
- 労働基準監督署から労働基準法違反として是正を指導され、不払いの残業代
を社員に合計100万円以上支払った企業は、前年度比13,5%増の1,3
86社。支払総額は6,2%増の123億円。
- 10年度、不払いの残業代を受け取った労働者は11万5231人。労働者
一人当たり平均受取額は11万円、1社平均の支払額は889万円でした。
- 1社が支払った最高額は旅館業の3億9409万でした。
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