2009年 新春号
◆最近の雇用情勢は、世界的な金融危機が雇用面にも急激に影響を及ぼす中
厳しさを増している。緊急な対応を求められる状況下、厚生労働省は「雇用調整助成金等の拡充及び離職者住居支援給付金」を施行する。
1.雇用調整助成金の概要
(下線部分が見直しを行うこととしている箇所)/平成21年2月5日・厚生労働省職業安定局雇用開発課
○ 支給内容
・ 支給額
休業等(休業及び教育訓練) |
出向 |
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厚生労働大臣が定める方法により算定
した休業手当又は賃金相当額(1人1日) ×下記の助成率
教育訓練は上記に加えて訓練費として、
1人1日あたり1,200円を加算 |
出向元事業主が
負担した賃金相当額
×下記の助成率
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2/3 | 2/3 |
○ 目 的
景気の変動、産業構造の変化等に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、休業等(休業及び教育訓練)又は出向を行った事業主に対して、休業手当、賃金又は出向労働者に係る賃金負担額の一部を助成するもので、失業の予防を目的としています。
○ 支給対象事業主
受給できる事業主は、次のいずれにも該当する事業主です。
@ 雇用保険の適用事業の事業主
A 事業活動を示す指標が次のとおりであること。
売上高又は生産量の最近3か月間の月平均値がその直前3か月間又は前年同期に比べ5%以上減少していること。
B それぞれ次のいずれにも該当する休業等(休業(従業員の全一日の休業または事業所全員一斉若しくは従業員毎の短時間休業をいいます。)及び教育訓練)又は出向(3か月以上1年以内の出向をいいます。)を行い、休業手当若しくは賃金を支払い、又は出向元事業主が出向労働者の賃金の一部を負担する事業主
- 対象期間内(事業主が指定した日から1年間)に実施されるもの
- 労使間の協定によるもの
- 事前に管轄都道府県労働局又はハローワークに届け出たもの
- 雇用保険の被保険者(雇用保険の被保険者としての期間は問いません)及び被保険者以外の者であって6か月以上雇用されている者を対象としていること。
- 休業について、休業手当の支払いが労働基準法第26条に違反していないこと
- 教育訓練について、通常行われる教育訓練ではないこと
- 出向について、出向労働者の同意を得たものであること
2.中小企業緊急雇用安定助成金の概要
(下線部分が見直しを行うこととしている箇所)
○ 支給内容
・ 支給額
休業等(休業及び教育訓練) | 出向 |
厚生労働大臣が定める方法により算定
した休業手当又は賃金相当額(1人1日)
×下記の助成率
教育訓練は上記に加えて訓練費として、
1人1日あたり6,000円を加算 |
出向元事業主が
負担した賃金相当額
×下記の助成率
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4/5 | 4/5 |
○ 目 的
従来の雇用調整助成金を見直し、現下の厳しい経済情勢の中でも従業員の雇用維持に努力する中小企業事業主を支援するため、平成20年12月1日から創設しました。休業等(休業及び教育訓練)又は出向を行った事業主に対して、休業手当、賃金又は出向労働者に係る賃金負担額の一部を助成するもので、失業の予防的としています。
○ 支給対象事業主
受給できる事業主は、次のいずれにも該当する事業主です。
@ 雇用保険の適用事業の中小企業事業主
A 事業活動を示す指標が次のいずれにも該当すること。
- 売上高又は生産量の最近3か月間の月平均値がその直前3か月又は前年同期に比べ減少していること
- 前期決算等の経常損益が赤字であること(ただし、aの減少が5%以上である場合は不要)
B それぞれ次のいずれにも該当する休業等(休業(従業員の全一日の休業または事業所全員一斉若しくは従業員毎の短時間休業をいいます。)及び教育訓練)又は出向(3か月以上1年以内の出向をいいます。)を行い、休業手当若しくは賃金を支払い、又は出向元事業主が出向労働者の賃金の一部を負担する事業主
- 対象期間内(事業主が指定した日から1年間)に実施されるもの
- 労使間の協定によるもの
- 事前に管轄都道府県労働局又はハローワークに届け出たもの
- 雇用保険の被保険者(雇用保険の被保険者としての期間は問いません)及び被保険者以外の者であって6か月以上雇用されている者を対象としていること。
- 休業について、休業手当の支払いが労働基準法第26条に違反していないこと
- 教育訓練について、通常行われる教育訓練ではないこと
- 出向について、出向労働者の同意を得たものであること
◆このほか、失業で住居を失う労働者に無償で住居を提供する事業主に労働者一人当たり月額4万円〜6万円を給付する制度を作り、昨年12月9日にさかのぼって適用します。
― 拡充のポイント ―
1.雇用調整助成金の拡充のポイント
(1)大企業に対する助成率の引き上げ
従前「2分の1」 → 拡充後「3分の2」
(2)事業活動量を示す判断指標の緩和
従前の「生産量」に加え「売上高」も対象とし、「売上高又は生産量」とする。
(3)休業等の規模要件の廃止
従前「所定労働延日(時間)数の15分の1以上(大企業の場合)、20分の1
以上(中小企業の場合)」 → 拡充後撤廃
(4)支給限度日数の延長
- 従前の最初の1年間「100日まで」を「200日まで」とする。
- 従前の3年間「150日まで」を「300日まで」とする。
(5)クーリング期間の廃止
従前「制度利用後1年経過した後でなければ再度利用することができない」
→ 拡充後撤廃
(6)短時間休業の助成対象範囲の拡充
従前の「従業員全員が一斉の短時間休業(1時間以上)を行った場合」に加え、
「従業員毎に短時間休業を行った場合」も対象とする。
2.中小企業緊急雇用安定助成金の拡充のポイント
(1)支給限度日数の延長
- 従前の最初の1年間「100日まで」を「200日まで」とする。
- 従前の3年間「200日まで」を「300日まで」とする。
(2)上記1.雇用調整助成金の(2)(3)(5)(6)に同じ
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